第二話
屈辱の現実と理想の楽園
プロローグでのNo.1とNo.2の計画の会話
No.1『俺と一緒にやらないか』
No.2『楽園都市計画?』
No.1『誰がこんな世の中にした?真面目な奴がバカを見るなど』
No.2『文明崩壊、再構築?リセット?』
No.1『俺に出来るかわからない、だがこれを一つ一つ達成していけば、世の中は良くなる。戦争をせずに破壊するには経済、精神、情報を支配する!それだけではない、積み重ねが重要なのだ。俺の計画だけでは俺の理想にすぎない、力を貸してくれ』
No.2『こんな事が本当に出来るとでも?』
No.1『だから頼んでいる』
No.2『・・・』
No.1『俺たちの将来を良いものに変えよう』
No.2『復讐か?』
No.1『そうだ、努力もせずにのさばる連中に裁きを!』
No.2『すまない』
No.1『…ダメか…』
No.2『いや、お前にそんな思いをさせてしまった、俺の判断ミスだ』
No.1『いや、気にするな原因はそれではない』
No.2『…』
No.1『原因を正すのだ、バカでずるい奴らばかりが頂点にいるから、いつまでも良くならんのだ。俺たちが世の中をコントロールする!』
No.2『…わかった、こんな仕事をしているせいか、お前と同じような奴らを沢山見てきた。考えには同意する』
No.1『つき合わせてすまんな、相談に乗ってくれるだけでも構わない』
No.2『計画を実行したら後には引けないな』
No.1『考えてある、これを』
仮面を取り出す、誰かわからないよう表情もない、ただの冷たい仮面
No.2『何だこれは?』
No.1『変声機が付いてる』
No.2『正体を隠せと?』
No.1『そうだ、せめてもの対策だ、何かあれば俺だけ捕まれば良い』
No.2『だから同じデザインなのか?』
No.1『そうだ、一人に見えるだろう』
No.2『…この計画の人員は?』
No.1『2人じゃ無理だとはわかってる、10人くらいのチームが欲しい』
No.2『10人か、もっと効率的に動ける少人数の方が良い、お前の計画は体より頭を使うからな』
No.1『そうか』
No.2『少し考えてみよう』
数日後
No.2『案がまとまった』
No.1『流石だな』
No.2『俺たちは人間だ、食っていけなければ何も出来ない』
No.1『収入の話か?』
No.2『収入と消費のバランスだ、10人では俺たちが潰れる』
No.1『確かに、今はまともな仕事もない』
No.2『俺の考えだが絶妙なバランスは6人』
No.1『ほう…6人?』
No.2『移動、格闘術、お前の知恵の補佐と技術の補佐、後は今後はエネルギー産業に目が向く。これに精通した人間が欲しい収入や製造に役に立つ』
No.1『なるほど』
No.2『知恵の補佐は俺がしよう』
No.1『頼む』
No.2『探してメンバーが揃うまでは実行しない方が良い』
No.1『わかった・・・6人か・・・』
No.1『クックック・・・』
No.2『どうした?』
No.1『6と言う数字を聞いて体が震えだした・・・あいつら・・・あいつら!』
ずっと冷静に自分を抑え込んでいたが恐怖を思いだし、まるで交互に別の人間が話すようだった。
No.2『なんだ!?』
No.1『借金取りの奴ら、俺が払えない事を知りながら賽を振ってやがった!』
No.2『何のために?』
No.1『次に来る日を決めるんだよ、10日待ってくれと言っても、最大で6日しか待ってもらえない…あいつらのせいで親父たちは参っちまった…許せん…』
No.2『トラウマなら5人とかでも良いんだぞ?』
No.1『いや構わない、俺を恐怖に陥れた奴らに同じ物を使って恐怖を味わわせてやる!・・・そうだ、6人集めて俺たちが賽になる、奴らみたいな下衆の人生を俺たちが決める!』
No.2『…』
No.1『ダイスだ…』
No.2『ダイス?』
No.1『俺たちのチーム名だ。世の中は俺たちの行動によって決まるクククク・・・』
No.2『・・・フ、良い案がある』
No.1『なんだ?』
丸く切った紙を仮面に添える
No.2『どうだ?賽の目に見えるか?』
No.1『ああ、面白い、だがカモフラージュにならん』
No.2『俺は構わん、やる以上は同じ覚悟だ』
No.1『ならばこれでいこう』
No.2『待て、お前は赤だ』
No.1『赤?』
No.2『賽の目の一つは赤だろ?』
No.1『ああそうか』
No.2『お互いのコードネームはNo.1とNo.2でどうだ?』
No.1『わかりやすいな』
No.2『なら他の面を探そう、ただし秀才でも有名なやつではダメだ、そこから足がつく無名な奴らが良い』
No.1『なるほど』
No.2『じゃあいこうかダイスを探しに』