Story

第十一話

『復讐』

男『お前達!いつもいつも何をしてるんだ!』

No.1『ほう…ヒーローのつもりか?』

No.3『こいつうるせぇな!やっちゃっていいのか?』

No.1『加減は考えてやれ』

No.3『へっ!…行くぜ!どりゃ!』

男『フン!せや!』

No.3『痛って!』

勇んで向かったNo.3は思いもよらぬ反撃をうける
男は以前より強くなっている

No.1『!?やるな…なぜ邪魔をする?』

男『俺は…ヒーローになろうと決めたから』

No.1『正気か?中身はただの一般人だろ』

男『違う!俺は白河を守る!ダルライザー!』

ダル『行くぞ!!』

No.3『くそがァ!!来い!』

No.3とダルライザーがほぼ互角のバトル、パンチの重さはNo.3が優勢
No.1は他のメンバーに知らせるため時計のボタンを押す
戦闘に加わると一気にダイスが優勢になる

ダル『ぐはっ!…』

No.3『てめぇ!邪魔すんな!』

ダル『ハァハァ、悪い奴は許さない…』

No.1『お前は何か勘違いをしている』

ダル『うるさい!』

ダルライザーが殴りかかるがNo.1はすんなりかわす

ダル『何が勘違いだ、人を殴ったり盗みに入ったりしてるだろ!』

No.3『まだ倒れないのか、おら!』

ダル『うっ!』

ダルライザーがくんと倒れそうになるがこらえる

No.1『貴様が邪魔をしなければ我等は何もしない』

ダル『くっ、これだけやっておいて、ふざ…けるな』

ダルライザーが顔を上げると暗闇の後ろから人影が近づく

No.2『大丈夫だったか?』

No.1『ああ』

No.6『またあの時のやつか』

ダル『う…うう…』

No.3『ダルライザーだってよ』

No.4『ダルいのかい?』

No.1『違う、白河ダルマらしい』

No.5『おお、カッコいいな、俺もあれが着たい!マスク取っちゃおうよ!正体見た…痛て!』

No.1『俺はやられただけ返せれば十分だ、正体を知ることが目的ではない』

スーツの男達が続々と集合する
ダルライザーは自分に不利な状況に気付く

No.2『新聞で見たヒーロー。所詮見た目だけの一般人だ、誰だってなれる』

ダル『くっ…俺は、地元のために…未来ある子供達のために、街を明るくするために!お前らが悪なら…戦う!自分の思い描く未来を作るために!…』

ダルライザーは立ち上がろうとするがボディへのダメージはなかなか引かない

No.1『ほう、それは新聞に書いてあったな、クックック…貴様の事は知っているぞ…』

No.3『なんで邪魔ばっかりするんだ!ガキのヒーローごっこに付き合ってる暇はねぇんだよ!』

だんだん空が明るく白みがかってくる…銀色のマスクが浮かび上がる

No.2『…行くぞ』

No.1『街を変えようと言うのはわかる…だが貴様には執念が足りんのだ』

ダル『くっ…執念…』

No.6『もう邪魔するな!』

No.4『薬使う?』

No.1『よせ!…つまらん、我等との出会いを刻むのだ!クック…貴様?志は本物か?その志は痛みを知ってるのか?』

ダル『…痛み…?』

No.1『まだ知らんだろうな、痛みを知らぬ志は単なる理想、そんな単純な思いでは世は変えられん』

ダル『…何!』

再びダルライザーは立ち上がろうとする

No.1『6対1では勝てん、諦めろ…覚えておけ、我らはダイス、街を変えるのは我等に任せておけ!クック…じゃあな!』

ダイス達が去っていく

ダル『ダイス…』

ダイス車内

No.3『しかしよ、まさかヒーローが現れるとはな!あ~、痛ぇ…』

No.5『カッコいい!』

No.6『黙ってろ!』

No.2『フ、冗談みたいだな、笑える。まるで俺達が悪役だ』

No.1『ハハハ!悪か…悪なら他にいる、俺達はそれを潰す!』

No.4『僕らもヒーロー?』

No.2『ヒーロー…ではない、近いとすれば義賊…か?』

No.1『なんでも良い』

ダイスアジト
早速手に入れた部品をつかい
マシンを作り上げる

No.1『これでよし』

No.2『試せるのか?』

No.1『まずは実験だ、No.5、この専用の受信機持ってそこに立て』

No.5『ああ、こうか?』

No.1『……』

No.5『…え?ぐ…この中で最も天才はこの俺だ!』

No.6『一番アホなんだよ!』

No.5『痛て!』

No.2『フッ!…傑作だ、今のがそうか?』

No.1『そうだ』

No.3『だが受信機持たなきゃダメだと使えないんじゃないのか?』

No.1『だから言ったろ、強力な電波を送信してる場所なら逆を辿れると、テレビを付けろ』

No.4『はい!』

No.1『○TVの電波塔の座標と周波数帯を調べろ』

No.2『了解』

No.1『いいか、見ていろ』

TVではニュースキャスターが話している

No.1『次のニュースです、回復の兆しが見えた日本経済は、また悪化の様相を見せています。特に半導体の打撃が大きく気鋭の海外メーカーに押されています。不具合を出した大手○○機器は対策を余儀なくされています』

…ニュースで同じ事が流れる…

No.6『成功だ!』

No.3『おお!すげーな!』

No.4『凄いけど…何が?』

No.1『フッフッフ、これはすぐには結果の出ない攻撃だ、他にもチャンネルを合わせろ』

全てのニュースに同じ情報を流し2日が経過する

社員『不具合のニュースが出たお陰で売りが殺到して株価が下落してます!』

社員『何だ何だ!不具合?そんなの聞いてない!』

社員『ニュースで見ました!上層部が何か隠してたんですかね?』

社員『取引解消の電話がなりやまない!』

社員『TV局に問い合わせろ!』

ダイスアジト
コーヒーを飲みながら
No.1は新聞を読んでいる

No.1『○○機器、株価下落と。あの製品は元々は俺のアイディアだ、自ら終息させることになるとは皮肉なものだ、悪く思うな。クックック、次だ…』

再び意思言語転送装置を起動させる

○○機器の社内アナウンス室の会話

女性社員『え?ぐ……ねぇねぇ聞いた?今回の不具合出したプロジェクトリーダーとあそこの彼女は不倫してるらしいよ』

社員『な!マジ!?最悪だな、これだから成り上がりは…』

担当したプロジェクトは解決できない不具合を出した事になっていた
すぐさま検証し何でも無いことが立証出来たが、それを証明する機会にテストをするとニュースの発表通りの不具合が
No.6がバグプログラムを流したのだ
悪い噂が立て続けに広まったプロジェクトリーダーであり
No.1の元同僚幹部は退職を余儀なくされた

No.1『あ、もしもし?久しぶりだな~!ニュース見たぞ、大丈夫か?クビ?でかいプロジェクトなだけにそれは仕方ないよな。まぁ彼女にでも慰めてもらえ。
…え!?別れた?浮気?そうか~。
え?まぁ浮気した奴がしたとは言わないだろ?本当はどうなんだ?黙っててやるから本当の事を言え、ハッハッハ!
そうか~、そうなったらどうにもならんな、まぁ元気でやれよ。
んじゃ!……クックックック、ファーハッハッハッハ!ハハハハ!』

No.2『気が済んだか?』

No.1『…ククク、実験は成功、信じる者信じない者、様々な成果が得られた…どうやらテレビなど姿が見える物よりもラジオやアナウンスの方が閉塞的で適してる』

No.2『ならもう終わりか?』

No.1『いや、まだだ、まだ足りん、これは序章に過ぎん、次の準備だ…』